弁護士に低報酬での業務を強いる 法テラス特例法案 !?

国会閉幕直前の6月12日、日弁連執行部が国会議員に働き掛け、立憲民主党や国民民主党などでつくる野党統一会派が、「新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた国民等に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律案」(新型コロナ法テラス特例法案)を、衆院に提出した。法テラスの利用には、手取り月収18万2千円以下(一人暮らしの場合)などの要件が定められているが、この要件を上回る収入があっても、コロナの影響で一定の減収があった者は、法テラスの援助を受けられることにするとのこと。

この法案の国会提出には、いくつもの重大な問題点がある。

1 低報酬の業務を拡大

そもそも法テラスの報酬基準が一般の弁護士の報酬基準よりも著しく低いことが根本的に問題である。本法案により、業務内容に合わない低報酬によって弁護士が受任を事実上強要される事件が大幅に拡大することになる。

2 さらなる低報酬の強制

法案第3条2項で、弁護士に支払われる報酬につき、「新型コロナウイルス感染症の措置の影響を受けた国民等を広く援助するものであることを考慮した相当な額」とされており、これまでの法テラスの報酬基準よりもさらに低率・低額の報酬を強制されることになる。

3 一般の弁護士の報酬も低廉化

以上の必然的な波及効果として法テラス契約弁護士以外の弁護士も報酬基準を下げざるを得なくなり、個人事件を中心に扱う弁護士層の窮乏化が進み、権力や経済的強者から独立した法律専門職としての弁護士の存続が困難となる。

4 会内民主主義の無視

このような弁護士のあり方に悪影響を及ぼす法案を、当然行われるべき会内論議を経ずに、日弁連執行部が国会議員に働き掛けて国会に提出させたことは、日弁連の会内民主主義の観点から許しがたい。

 

本法案は「閉会中審査」とされており、次の国会が開催されれば直ちに審議が始まり、日弁連推奨法案として簡単に成立してしまう恐れがある。

新型コロナを理由に独断専行する日弁連執行部の暴走を止めて、本法案を撤回させよう。

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