腐臭を放つ安倍政権~検察権力中枢も同じ穴の狢

◆検察庁法改正案は、SNS上の1000万件以上の抗議、内閣支持率の30%台への急落に表された民衆の怒りと、著名人・全弁護士会などの反対で断念に追い込まれたが、安倍政権は、黒川弘務検事長の賭けマージャン辞任と廃案で幕引きを図ろうとしている。

◆その最終段階で松尾邦弘元検事総長ら検察OBが「日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊する」と反対意見書を提出。メディアや弁護士の中には、この検察OBの行動を賛美するような言説が散見されるが、まったくの的外れだ。

◆日本の検察権力は、戦前から一貫して、民衆の闘いの弾圧・封殺、憲法・刑訴法の原則に反する実務、政治家や「上級市民」への便益など、「適正公平」であったことはない。

・松尾は「盗聴法」導入、「司法改革」を主導、「裁判員制度」 を具現化した。

・黒川は「司法改革」の現場を担い、その後、盗聴拡大、司法取引、取調べの録音録画 などの「新たな武器」を捜査機関に与え、16年か らは、法務省事務次官として「共謀罪」を導入。

・林真琴次期検事総長は17年に刑事局長として「共謀罪」に関して慣例を破って国会 で答弁し、金田勝年法相隠しに加担。

彼らはすべて検察権力の中心を担う同じ穴の狢だ。検察OBの意見書は 、検察権力が生き残りをかけたあがきとして、安倍政権に逆らってみせたというものに過ぎない。